商品の返品と値引きのポイントを解説していきます。日商簿記3級合格に向けてポイントを理解していきましょう。
なお、このページは、三分法によります。
商品の返品
返品とは
「商品に傷があったとき」、「違う商品であったとき」などを理由に商品を相手方(仕入先や得意先)に返したり、返されたりします。
これが、返品です。
【補足】 A商店は、B商店から商品を仕入れたが、その商品に傷があったので、B商店にその商品を返品したとします。 Aから見れば、返品することになります。これを仕入戻しといいます。 Bから見れば、返品されることになります。これを売上戻りといいます。 |
返品の処理
【返品したとき=仕入戻し】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
仕入 | 300 | 買掛金 | 300 |
上記は、A商店がB商店から掛けで商品300円を仕入れたときの仕訳です。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
買掛金 | 300 | 仕入 | 300 |
上記は、A商店が、B商店から掛けで仕入れた商品300円を返品したときの仕訳です。
返品するということは、商品を仕入れなかったことと同じです。
つまり、商品を仕入れたときの仕訳をする必要がなかったということになり、商品を仕入れたときの仕訳を取り消さなければなりません。
では、どのように取り消せばよいのか!といいますと、商品を仕入れたときの仕訳と逆の仕訳(逆仕訳といます。)をしなければなりません。
【返品されたとき=売上戻り】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
売掛金 | 500 | 売上 | 500 |
上記は、A商店が、C商店に商品500円を売り上げ、代金は掛けとしたときの仕訳です。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
売上 | 500 | 売掛金 | 500 |
上記は、A商店が、C商店に掛けで売り上げた商品500円を返品されたときの仕訳です。
仕訳の意味合いは、返品したときと同じです。
商品の値引き
値引きとは
「商品に品質不良があったとき」、「商品に傷があったとき」などを理由に商品の値段をまけたり、まけてもらったりします。
これが、値引きです。
【補足】 A商店は、B商店から商品を仕入れたが、その商品に傷があったので、B商店から値引きを受けたとします。 Aから見れば、値引きを受けることとなります。これを、仕入値引といいます。 Bから見れば、値引きをすることとなります。これを、売上値引といいます。 |
値引きの処理
値引きの仕訳は、逆仕訳をする必要があります。
【値引きを受けたとき=仕入値引き】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
仕入 | 300 | 買掛金 | 300 |
上記は、A商店がB商店から掛けで商品300円を仕入れたときの仕訳です。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
買掛金 | 50 | 仕入 | 50 |
上記は、A商店が、B商店から掛けで仕入れた商品の一部に傷があったので、50円の値引きを受けたときの仕訳です。
300円の商品を仕入れたので、上記の仕訳をしました。
ただ、「50円の値引きを受けた」ということは、そもそも、250円の商品を仕入れたことになります。
よって、商品を仕入れたときの仕訳を修正する必要があります。
では、どのように修正すればよいのかといいますと、値引きを受けた分の逆仕訳をしなければなりません。
【値引きをしたとき=売上値引き】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
売掛金 | 500 | 売上 | 500 |
上記は、A商店が、C商店に商品500円を売り上げ、代金は掛けとしたときの仕訳です。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
売上 | 50 | 売掛金 | 50 |
上記は、A商店が、C商店に掛けで売り上げた商品の一部に傷があったので、50円の値引きをしたときの仕訳です。
値引きをした分の逆仕訳をしなければなりません。