掛けによる売買~日商簿記3級ポイント解説

毎日、A商店は、B商店から商品を仕入れていたとします。

毎日、毎日、商品を仕入れるたびに現金を支払うことが面倒になり、また、毎日、毎日、お金を手許に置いとくことができなくなったA商店は、B商店に対して、「1週間に仕入れた商品の代金をまとめて、1週間後に支払っても良いですか?」とお願いをしました。

そして、B商店も、「毎日、毎日、お金を受け取るのも面倒だから、それで良いよ!」と了承しました。

このように、商品の代金を後日回収・支払うことを約束して商品を売買することを掛け取引といいます。

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掛け仕入れ~A商店の処理~

商品を仕入れたとき

3月1日に、A商店は、B商店から、商品500円を掛けで仕入れた(代金の支払い日は、3月10日とします。)とします。この取引のA商店の仕訳は、以下のとおりです。なお、三分法による、以下同じとする。

借方科目金額貸方科目金額
仕入500買掛金500

A商店は、商品を仕入れていますので、仕入を借方に記入します。

商品を掛けで仕入れたA商店は、商品代金500円を後日支払う義務を負うことになります。この場合、買掛金(負債)で処理することになります。

代金を支払ったとき

3月10日となったので、A商店は、B商店に代金500円を支払わなければなりません。そこで、A商店は、B商店に対する買掛金500円を現金で支払った。この取引のA商店の仕訳は、以下のとおりです。

借方科目金額貸方科目金額
買掛金500現金500

現金で支払っていますので、資産である現金が減ります。よって、現金を貸方に記入します。

買掛金を現金で支払っていますので、A商店は、「商品代金500円を後日支払う義務」がなくなる(減る)ことになります。よって、負債である買掛金を借方に記入します

掛け売上げ~B商店の処理~

上記では、A商店の処理を見てきました。今度は、B商店の処理を見ます。

商品を売り上げたとき

3月1日に、B商店は、A商店に、商品を掛けで売り上げ、代金500円は、掛けとした(代金の受取日は、3月10日とします。)とします。この取引のB商店の仕訳は、以下のとおりです。なお、三分法による、以下同じとする。

借方科目金額貸方科目金額
売掛金500売上500

B商店は、商品を売り上げていますので、売上を貸方に記入します。

商品を掛けで売り上げたB商店は、商品代金500円を後日受け取る権利を取得することになります。この場合、売掛金(資産)で処理することになります。

代金を受け取ったとき

3月10日となったので、B商店は、A商店から代金500円を現金で回収した。この取引のB商店の仕訳は、以下のとおりです。

借方科目金額貸方科目金額
現金500売掛金500

現金を取得していますので、資産である現金が増えます。よって、現金を借方に記入します。

売掛金を現金で回収していますので、B商店は、「商品代金500円を後日受け取る権利」がなくなる(減る)ことになります。よって、資産である売掛金を貸方に記入します

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