売上原価対立法のポイントを解説していきます。日商簿記2級合格に向けてポイントを理解していきましょう。
売上原価対立法解説
売上原価対立法は、商品売買について、「商品」「売上原価」「売上」の3つの勘定科目を使っていきます。
商品を仕入れたときは、借方に、商品(原価)を記入していきます。
商品を売り上げたときには、売上を計上するとともに、売り上げた商品の原価を商品から売上原価に振り替えていきます。
売り上げた都度、商品から売上原価に振り替えていきますので、決算整理仕訳を行う必要がありません。
売上原価対立法例題
問1 | 3/12に、商品300円を仕入れ、代金は掛けとした。 |
問2 | 4/1に、問1の商品(原価300、売価600円)を掛けで売り上げた。 |
問3 | 期首商品棚卸高が300円で、期末商品棚卸高が500円である。 |
上記の取引を売上原価対立法により仕訳をすると以下のとおりになります。なお、問3は、決算整理仕訳です。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
問1 | 商品 | 300 | 買掛金 | 300 |
問2 | 売掛金 | 600 | 売上 | 600 |
問3 | 売上原価対立法の場合、決算整理仕訳は不要です。 |
では、上記の問題の解説をしていきます。
【問1の解説】
商品を仕入れたときは、借方に、商品(原価)を記入していきます。
ですので、商品300円を借方に記入します。
この時点では、分記法と同じです。
【問2・3の解説】
商品を売り上げたときには、売上を計上するとともに、売り上げた商品の原価を商品から売上原価に振り替えていきます。
ですので、資産である商品300円を貸方に記入し、費用である売上原価300円を借方に記入します。
なお、商品を600円で売り上げていますので、売上600円を貸方に記入します。
分記法では、売価と原価との差額、本問では、300円を商品売買益として計上しましたが、売上原価対立法の場合、利益を示す勘定科目(商品売買益)で示すのではなく、売上とともに売上原価も計上していきます。
その結果、分記法と同様、期中で利益を認識することができます。
また、上記のT字フォームで示したとおり、商品勘定も0円となり、実際有高と一致しますので、決算整理仕訳は不要となります。