標準原価計算の要点を押さえた後は、徹底的に標準原価計算の問題を解きましょう。
日商簿記2級に合格するためには、数多くの問題を解くことが重要です。
目次
標準原価計算問題
問題1:パーシャル・プランとシングル・プラン
問題1の解答用紙はこちらからどうぞ
当工場は、前月から標準原価計算制度を採用しており次の資料にもとづいて、仕掛品勘定と製品勘定の記入を行いなさい。なお、(1)は、パーシャル・プランによる場合で、(2)は、シングル・プランによる場合である。材料は、工程の始点で投入され、( )内の数値は、加工進捗度である。
1.標準原価カード<一部>
直接材料費:@20円×2kg=40円 直接労務費:@10円×2時間=20円 製造間接費:@40円×2時間=80円 計140円
2.当月の生産・販売データ
3.実際原価データ(月間)
直接材料費:7,500円
直接労務費:4,500円
製造間接費:18,000円
【解答】
問題2:直接材料費差異等
次の資料にもとづいて、直接材料費差異、直接労務異を計算し、差異分析を行いなさい。なお、【 】内には、借方差異なら借と記入し、貸方差異なら貸と記入しなさい。材料は、工程の始点で投入され、( )内の数値は、進捗度である。
1.標準原価カード<一部>
標準直接材料費:@300円×6kg=1,800円
標準直接労務費:@300円×2時間=600円
2.生産データ
月初仕掛品:100個(50%)
月間完成:200個
月末仕掛品:100個(40%)
3.実際原価データ(月間)
直接材料費:@350円×1,300kg=455,000円
直接労務費:@400円×400時間=160,000円
- 直接材料費差異【 】 円
- 価格差異 【 】 円
- 数量差異 【 】 円
- 直接労務費差 【 】 円
- 賃料差異 【 】 円
- 作業時間差異 【 】 円
【解答】
1.直接材料費
- (1)標準消費量:6kg×(100個+200個-100個)=1,200kg
- (2)標準直接材料費:300円×(1)=360,000円
- (3)直接材料費差異:(2)-455,000円=△95,000円(不利、借方差異)
- (4)価格差異:(300円-350円)×1,300kg=△65,000円(不利、借方差異)
- (5)数量差異:(1,200kg-1,300kg)×300円=△30,000円(不利、借方差異)
2.直接労務費
- (1)標準直接作業時間:2時間×(200個+100個×40%-100個×50%)=380時間
- (2)標準直接労務費:300円×(1)=114,000円
- (3)直接労務費差異:(2)-160,000円=△46,000円(不利、借方差異)
- (4)賃率差異:(300円-400円)×400時間=△40,000円(不利、借方差異)
- (5)作業時間差異:(380時間-400時間)×300円=△6,000円(不利、借方差異)
問題3:製造間接費差異等
次の資料にもとづいて、製造間接費差異を求め、(1)3分法(2)4分法によって分析しなさい。なお、【 】内には、借方差異なら借と記入し、貸方差異なら貸と記入しなさい。材料は、工程の始点で投入され、( )内の数値は、加工進捗度である。
1.製品1個あたりの標準直接作業時間
1時間
2.製造間接費公式法変動予算
変動費率:80円/時間
固定費(月額):24,000円
月間正常直接作業時間240時間
3.生産データ
月初仕掛品:100個(50%)
月間完成:200個
月末仕掛品:100個(50%)
4.当月実際データ
製造間接費実際発生額:43,000円
実際直接作業時間:220時間
(1)3分法
- 製造間接費差異【 】 円
- 予算差異 【 】 円
- 操業度差異 【 】 円
- 能率差異 【 】 円
(2)4分法
- 製造間接費差異【 】 円
- 予算差異 【 】 円
- 操業度差異 【 】 円
- 変動費能率差異【 】 円
- 固定費能率差異【 】 円
【解答】
- 標準操業度:1時間×(200個+100個×50%-100個×50%)=200時間
- 固定費率:24,000円÷240時間=@100円
- 標準製造間接費:(80円+100円)×200時間=36,000円
- 製造間接費差異:36,000円-43,000円=△7,000円(不利、借方差異)
- 予算許容額:24,000円+80円×220時間=41,600円
- 予算差異:41,600円-43,000円=△1,400円(不利、借方差異)
- 操業度差異:@100円×(220時間-240時間)=△2,000円(不利、借方差異)
- 能率差異:@180×(200時間-220時間)=△3,600円(不利、借方差異)
- 変動費能率差異:@80円×(200時間-220時間)=△1,600円(不利、借方差異)
- 固定費能率差異:@100円×(200時間-220時間)=△2,000円(不利、借方差異)
問題4:パーシャル・プラン
問題4の解答用紙はこちらからどうぞ
当工場では、標準総合原価計算を採用している。次の資料にもとづいて、仕掛品勘定及び損益計算書を作成しなさい。なお、仕掛品勘定の記入方法は、パーシャル・プランによる。
1.製品Aの1個あたりの標準原価
直接材料費:3kg×@50円=150円
直接労務費:1時間×@60円=60円
製造間接費:1時間×70円=70円
合 計:280円
※直接材料は、加工の進行に応じて投入
2.製造データ
月初仕掛品 :50個(40%)
当月完成数量:100個
月末仕掛品 :50個(60%)
※( )内の数値は、加工進捗度である。
3.製品データ
月初在庫:20個
月末在庫:10個
4.実際原価データ
直接材料費(@60、実際消費量250kg)
直接労務費(@50、実際直接作業時間120時間)
製造間接費実際発生額(10,000円)
【解答】
- 直接材料は、加工の進行に応じて投入するため、加工費と同様、進捗度を考慮して計算する。
- パーシャル・プランの場合、仕掛品勘定の材料、賃金、製造間接費は、実際原価を記入する。前月繰越、製品、次月繰越は、標準原価を記入する。そして、貸借差額により、原価差異を記入する。
- 直接材料費差異:(150円×(100個+50個×60%-50個×40%))-(@60×250㎏)=1,500円(有利、貸方差異)
- 直接労務費差異:(60円×(100個+50個×60%-50個×40%))-(@50×120時間)=600円(有利、貸方差異)
- 製造間接費差異:(70円×(100個+50個×60%-50個×40%))-10,000円=△2,300円(不利、借方差異)
問題5:直接材料費差異等
次の資料にもとづいて、直接材料費差異、直接労務費差異、製造間接費差異を求め、差異の分析(製造間接費差異については、4分法による)を行いなさい。なお、[ ]内には、借方差異なら借と記入し、貸方差異なら貸と記入しなさい。
1.標準原価カード<一部>
直接材料費:標準消費量2kg×標準価格200円=400円
直接労務費:標準作業時間2時間×標準賃率400円=800円
製造間接費:標準作業時間2時間×標準配賦率500円=1,000円
2.製造間接費変動予算
変動費率 :200円/時間
固定費(月額):69,000円
3.当月の生産データ
月初仕掛品:50個(60%)
当月投入 :150個
月末仕掛品:100個(40%)
完成品 :100個
※材料は、工程の始点で投入され、( )内の数値は、加工進捗度である。
4.当月の実績
当月の直接材料費:250円/kg×320kg=80,000円
当月の直接労務費:450円/時間×200時間=90,000円
製造間接費 :69,000円
- 直接材料費差異[ ] 円
- 価格差異 [ ] 円
- 数量差異 [ ] 円
- 直接労務費差異[ ] 円
- 賃料差異 [ ] 円
- 作業時間差異 [ ] 円
- 製造間接費差異[ ] 円
- 予算差異 [ ] 円
- 操業度差異 [ ] 円
- 変動費能率差異[ ] 円
- 固定費能率差異[ ] 円
【解答】
1.直接材料費
(1)標準消費量:2kg×(100個+100個-50個)=300kg
(2)標準直接材料費:200円×(1)=60,000円
(3)直接材料費差異:(2)-80,000円=△20,000円(不利、借方差異)
(4)価格差異:(200円-250円)×320kg=△16,000円(不利、借方差異)
(5)数量差異:(300kg-320kg)×200円=△4,000円(不利、借方差異)
2.直接労務費
(1)標準直接作業時間:2時間×(100個+100個×40%-50個×60%)=220時間
(2)標準直接労務費:400円×(1)=88,000円
(3)直接労務費差異:(2)-90,000円=△2,000円(不利、借方差異)
(4)賃率差異:(400円-450円)×200時間=△10,000円(不利、借方差異)
(5)作業時間差異:(220時間-200時間)×400円=8,000円(有利、貸方差異)
3.製造間接費
(1)標準操業度:2時間×(100個+100個×40%-50個×60%)=220時間
(2)基準操業度:69,000円(固定費)÷300円(固定費率)=230時間
(3)予算許容額:69,000円+200円×200時間=109,000円
(4)標準製造間接費:500円×220時間=110,000円
(5)製造間接費差異:(4)-69,000円=41,000円(有利、貸方差異)
(6)予算差異:(3)-69,000円=40,000円(有利、貸方差異)
(7)操業度差異:@300円×(200時間-(2))=△9,000円(不利、借方差異)
(8)変動費能率差異:@200円×((1)-200時間)=4,000円(有利、貸方差異)
(9)固定費能率差異:@300円×((1)-200時間)=6,000円(有利、貸方差異)