総合原価計算の要点を押さえた後は、徹底的に総合原価計算の問題を解きましょう。
日商簿記2級に合格するためには、数多くの問題を解くことが重要です。
目次
総合原価計算問題
問題1:月末仕掛品原価・完成品原価等
次の資料にもとづいて、(1)平均法(2)先入先出法により、月末仕掛品原価、完成品原価、完成品単位原価を計算しなさい。なお、材料は工程の始点で投入している。( )内は、進捗度である。
【解答】
- 平均法
月末仕掛品原価
3,000円÷(100個+50個×100%)×(50個×100%)+2,600円÷(100個+50個×60%)×(50個×60%)=1,600円
完成品原価及び完成品単位原価
5,600円-1,600円=4,000円(完成品原価)÷100円=40円(完成品単位原価) - 先入先出法
月末仕掛品原価
2,000円÷(100個+50個×100%-50個×100%)×(50個×100%)+2,200円÷(100個+50個×60%-50個×40%)×(50個×60%)=1,600円
完成品原価及び完成品単位原価
5,600円-1,600円=4,000円(完成品原価)÷100円=40円(完成品単位原価)
問題2:完成品単位原価等(平均法)
次の資料にもとづいて、平均法により、月末仕掛品原価、完成品原価、完成品単位原価を計算しなさい。なお、材料は工程の始点で投入している。減損は、工程の終点で発生し、すべて正常減損である。( )内は、進捗度である。
【解答】
- 月末仕掛品原価
(20,000円+58,000円)÷(230個+50個+20個)×50個+(4,000円+50,000円)÷(230個+20個×100%+50個×40%)×(50個×40%)=17,000円 - 完成品原価及び完成品単位原価
132,000円-17,000円=115,000円(完成品原価)÷230個=500円(完成品単位原価)
問題3:完成品原価等(先入先出法)
次の資料にもとづいて、先入先出法により、月末仕掛品原価、完成品原価、完成品単位原価を計算しなさい。なお、材料は工程の始点で投入している。減損は、工程の始点で発生し、すべて正常減損である。( )内は、進捗度である。
【解答】
月末仕掛品原価
42,000円÷(450個+100個-200個)×100個+20,000円÷(450個+100個×50%-200個×50%)×(100個×50%)=14,500円完成品原価及び完成品単位原価
85,150円-14,500円=70,650円(完成品原価)÷450個=157円(完成品単位原価)
問題4:完成品原価等(仕損)
次の資料にもとづいて、平均法により、月末仕掛品原価、完成品原価を計算しなさい。なお、材料は工程の始点で投入している。仕損は、工程の終点で発生し、すべて正常仕損である。正常仕損の評価額(2千円)は、材料価値に依存している。( )内は、進捗度である。
【解答】
月末仕掛品原価
(20,000円+58,000円)÷(230個+50個+20個)×50個+(4,000円+50,000円)÷(230個+20個×100%+50個×40%)×(50個×40%)=17,000円完成品原価
132,000円-17,000円=115,000円-2,000円(正常仕損評価額)=113,000円
113,000円の内訳:直接材料費63,000円(78,000円-13,000円-2,000円) +加工費50,000円(54,000円-4,000円)
問題5:月末仕掛品原価等(仕損)
次の資料にもとづいて、平均法により、月末仕掛品原価、完成品原価を計算しなさい。なお、材料は工程の始点で投入している。仕損は、工程の始点で発生し、すべて正常仕損である。正常仕損の評価額(2,750円)は、材料価値に依存している。( )内は、進捗度である。
【解答】
- 月末仕掛品原価
(13,000円+42,000円-2,750円)÷(450個+100個)×100個+(10,000円+30,000円)÷(450個+100個×50%)×(100個×50%)=13,500円 - 完成品原価
92,250円(評価額控除後) -13,500円=78,750円
問題6:月末仕掛品原価等(副産物)
次の資料にもとづいて、平均法により、月末仕掛品原価、完成品原価を計算しなさい。なお、材料は工程の始点で投入している。副産物は、工程の終点で発生し、直接材料費から控除する。副産物の評価額は、@100円である。( )内は、進捗度である。
【解答】
- 月末仕掛品原価
(20,000円+58,000円)÷(230個+50個+20個)×50個+(4,000円+50,000円)÷(230個+20個×100%+50個×40%)×(50個×40%)=17,000円 - 完成品原価
132,000円-17,000円=115,000円-2,000円(副産物評価額)=113,000円
113,000円内訳:直接材料費63,000円(78,000円-13,000円-2,000円) +加工費50,000円(54,000円-4,000円)
問題7:工程別1
当工場では、累加法による工程別総合原価計算を行っている。次の資料にもとづいて、第1工程、第2工程の月末仕掛品原価、完成品原価、完成品単位原価(端数が生じる場合、小数点以下第2位まで求めなさい)を計算しなさい。なお、第1工程では平均法、第2工程では先入先出法を用いる。材料は、第1工程の始点で投入される。( )内の数値は加工進捗度である。
【解答】
1.第1工程の計算(平均法)
- 月末仕掛品原価
(1,000円+5,000円)÷(2,000個+1,000個)×1,000個+(500円+2,000円)÷(2,000個+1,000個×50%)×(1,000個×50%)=2,500円 - 完成品原価及び完成品単位原価
8,500円-2,500円=6,000円(完成品原価=第2工程に振り替える)÷2,000個=3円(完成品単位原価)
2.第2工程の計算(先入先出法)
- 月末仕掛品原価
6,000円÷(1,200個+1,000個-200個)×1,000個+2,600円÷(1,200個+1,000個×20%-200個×50%)×(1,000個×20%)=3,400円 - 完成品原価及び完成品単位原価
11,500円-3,400円=8,100円(完成品原価)÷1,200個=6.75円(完成品単位原価)
問題8:組別
A組製品とB組製品のそれぞれの月末仕掛品原価、完成品原価、完成品単位原価を計算しなさい。月末仕掛品の評価は、A組製品が平均法、B組製品が先入先出法を用いる。加工費(組間接費)の配賦は、直接作業時間を基準に行う。材料は、工程の始点で投入される。( )内の数値は加工進捗度である。加工費の実際発生額は5,000円で、直接作業時間は300時間(A組製品:180時間、B組製品:120時間)である。
【解答】
1.組間接費(加工費)の配賦
- A組製品:5,000円×180時間÷300時間=3,000円
- B組製品:5,000円×120時間÷300時間=2,000円
2.A組製品の計算(平均法)
- 月末仕掛品原価
(1,000円+5,000円)÷(200個+100個)×100個+(500円+3,000円)÷(200個+100個×50%)×(100個×50%)=2,700円 - 完成品原価及び完成品単位原価
9,500円(直接材料費6,000円+加工費3,500円)-2,700円=6,800円(完成品原価)÷200個=34円(完成品単位原価)
3.B組製品の計算(先入先出法)
- 月末仕掛品原価
3,500円÷(100個+20個-20個)×20個+2,000円÷(100個+20個×50%-20個×50%)×(20個×50%)=900円 - 完成品原価及び完成品単位原価
7,500円(直接材料費5,000円+加工費2,500円)-900円=6,600円(完成品原価)÷100個=66円(完成品単位原価)
問題9:等級別1
次の資料にもとづいて、平均法により、等級製品である製品Aと製品Bの月末仕掛品原価、完成品原価、完成品単位原価を計算しなさい。材料は、工程の始点で投入される。( )内の数値は加工進捗度である。
完成品数量:製品A→100個、製品B→100個、等価係数:製品A→1、製品B→1.5
【解答】
- 月末仕掛品原価
製品A: (1,000円+5,000円)÷(200個+100個)×100個=2,000円
製品B:(500円+3,000円)÷(200個+100個×50%)×(100個×50%)=700円 - 完成品原価
9,500円(直接材料費6,000円+加工費3,500円)-2,700円=6,800円 - 積数
製品A:1×100個=100
製品B:1.5×100個=150
積数合計=100+150=250 - 各等級製品へ配分
製品Aの完成品原価:6,800円×100÷250=2,720円
製品Bの完成品原価:6,800円×150÷250=4,080円 - 完成品単位原価
製品Aの完成品単位原価:2,720円÷100個=27.2円
製品Bの完成品単位原価:4,080円÷100個=40.8円
問題10:月末仕掛品原価等(平均的に投入)
次の資料にもとづいて、平均法により、月末仕掛品原価、完成品原価を計算しなさい。A原料は、工程の始点で、B原料は工程を通じて平均的に投入している。
【解答】
- A原料費
月末仕掛品原価:6,000円÷(200個+100個)×100個=2,000円
完成品原価:6,000円-2,000円=4,000円 - B原料費
月末仕掛品原価:5,000円÷(200個+100個×50%)×(100個×50%)=1,000円
完成品原価:5,000円-1,000円=4,000円 - 加工費
月末仕掛品原価:3,500円÷(200個+100個×50%)×(100個×50%)=700円
完成品原価:3,500円-700円=2,800円 - 合計
月末仕掛品原価:2,000円+1,000円+700円=3,700円
完成品原価:4,000円+4,000円+2,800円=10,800円
問題11:工程別2
問題11の解答用紙はこちらからどうぞ
当工場では、累加法による工程別総合原価計算を行っている。次の資料にもとづいて、工程別総合原価計算表を完成させなさい。なお、小数点以下第2位で四捨五入し、第1工程及び第2工程では、平均法を用いる。原料は、第1工程の始点で投入され、正常仕損(処分価格0)は、第2工程の終点で発生している。( )内の数値は加工進捗度である。
【解答】
1.第1工程
- 原料費
月末仕掛品原価→14,000円÷(500個+200個)×200個=4,000円
完成品原価及び単位原価→14,000円-4,000円=10,000円(完成品原価)÷500個=20円(単位原価) - 加工費
月末仕掛品原価→12,000円÷(500個+200個×50%)×(200個×50%)=2,000円
完成品原価及び単位原価→12,000円-2,000円=10,000円(完成品原価)÷500個=20円(単位原価)
2.第2工程(完成品原価を第2工程に振り替える。仕損は、完成品のみに負担させる。)
- 前工程費
月末仕掛品原価→25,000円÷(300個+100個+100個)×100個=5,000円
完成品原価及び単位原価→25,000円-5,000円=20,000円(完成品原価)÷300個=66.7円(単位原価) - 加工費
月末仕掛品原価→18,000円÷(300個+100個×50%+100個)×(100個×50%)=2,000個
完成品原価及び単位原価→18,000円-2,000円=16,000円(完成品原価)÷300個=53.3円(単位原価)
問題12:工程別3
問題12の解答用紙はこちらからどうぞ
当工場では、累加法による工程別総合原価計算を行っている。次の資料にもとづいて、工程別総合原価計算表を完成させなさい。なお、小数点以下第2位で四捨五入し、第1工程では平均法、第2工程では先入先出法を用いる。原料は、第1工程の始点で投入され、正常減損は、第2工程の途中で発生している。( )内の数値は加工進捗度である。
【解答】
1.第1工程
問11と同じ
2.第2工程(完成品原価を第2工程に振り替える。減損は、完成品と仕掛品の両方に負担させる)
- 前工程費
月末仕掛品原価→20,000円÷(200個+100個-100個)×100個=10,000円
完成品原価及び単位原価→25,000円-10,000円=15,000円(完成品原価)÷200個=75円(単位原価) - 加工費
月末仕掛品原価→12,000円÷(200個+100個×50%-100個×50%)×(100個×50%)=3,000円
完成品原価及び単位原価→18,000円-3,000円=15,000円(完成品原価)÷200個=75円(単位原価)
問題13:工程別4
問題13の解答用紙はこちらからどうぞ
当工場では、累加法による工程別総合原価計算を行っている。次の資料にもとづいて、工程別総合原価計算表を完成させなさい。なお、小数点以下第2位で四捨五入し、第1工程及び第2工程は、平均法を用いる。甲原料は、第1工程の始点で投入され、乙原料は、第2工程の加工進捗度40%の時点で投入される。正常減損は、第1工程の途中で発生している。( )内の数値は加工進捗度である。
【解答】
1.第1工程(減損は、完成品と仕掛品の両方に負担させる)
- 原料費
月末仕掛品原価→14,000円÷(400個+100個)×100個=2,800円
完成品原価→14,000円-2,800円=11,200円 - 加工費
月末仕掛品原価→12,600円÷(400個+100個×50%)×(100個×50%)=1,400円
完成品原価→12,600円-1,400円=11,200円
2.第2工程(完成品原価を第2工程に振り替える。月末仕掛品の進捗度より前の地点で、材料を投入しているため、追加材料費を完成品と月末仕掛品に配分する。)
- 前工程費
月末仕掛品原価→27,400円÷(200個+200個)×200個=13,700円
完成品原価→27,400円-13,700円=13,700円 - 乙原料
月末仕掛品原価→2,000円÷(200個+200個)×200個=1,000円
完成品原価→2,000円-1,000円=1,000円 - 加工費
月末仕掛品原価→18,000円÷(200個+200個×50%)×(200個×50%)=6,000円
完成品原価→18,000円-6,000円=12,000円
問題14:等級別2
次の資料にもとづいて、平均法により、各等級製品の完成品原価、完成品単位原価を計算しなさい。なお、材料は、工程の始点で投入される。( )内の数値は加工進捗度または正常減損の発生時点である。完成品数量は、製品Aが150個、製品Bが150個である。製品の1個あたりの重量は、製品Aが60kg、製品Bが40kgであり、等価係数はこの重量を使う。
【解答】
- 製品A
完成品原価:5,040円
完成品単位原価:33.6円/個 - 製品B
完成品原価:3,360円
完成品単位原価:22.4円/個
直接材料費
月末仕掛品原価:6,000円÷(300個+100個+100個)×100個=1,200円
完成品原価:6,000円-1,200円=4,800円加工費
月末仕掛品原価:4,100円÷(300個+100個×50%+100個×60%)×(100個×50%)=500円
完成品原価:4,100円-500円=3,600円- 合計
月末仕掛品原価:1,200円+500円=1,700円
完成品原価:4,800円+3,600円=8,400円