引当金の要点を押さえた後は、徹底的に引当金の問題を解きましょう。
日商簿記2級に合格するためには、数多くの問題を解くことが重要です。
目次
引当金問題【項目別】
貸倒引当金問題
次の取引について仕訳しなさい。
- A社に対する売掛金800円、B社に対する受取手形600円がある。売掛金について、A社の財政状態が悪化したため、担保処分見込額300円を差し引いた金額に対し50%を設定する。
- 期末の電子記録債権残高は10,000円、貸付金残高は20,000円であった。電子記録債権については、実績率2%にもとづき、貸倒引当金を設定する。しかし、貸付金については、債務者の経営状態に重大な問題があったため、その回収不能額を50%と見積もり貸倒引当金を設定する。決算整理前残高試算表の貸倒引当金は800円である。
【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 貸倒引当金繰入 | 250 | 貸倒引当金 | 250 |
2 | 貸倒引当金繰入 | 9,400 | 貸倒引当金 | 9,400 |
※問2:10,000円×2%+20,000円×50%=10,200円-800円=9,400円
商品保証引当金問題
次の取引について仕訳しなさい。
- 決算において、当期売上高100,000円の1%を商品保証引当金として設定する。
- 前期に販売した商品について、修理の依頼を受け、業者に修理の依頼をし、修理代金800円を現金で支払った。なお、商品保証引当金の残高は1,000円である。
【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 商品保証引当金繰入 | 1,000 | 商品保証引当金 | 1,000 |
2 | 商品保証引当金 | 800 | 現金 | 800 |
修繕引当金問題
次の取引について仕訳しなさい。
- 決算において、建物の定期的修繕のために修繕引当金800円を設定する。
- 建物の定期修繕を行い、代金1,200円は翌月末の支払いとした。なお、修繕引当金の残高は、800円である。
- 建物の定期修繕と改修を行い代金1,200円は翌月末の支払いとした。なお、このうち300円は改良とみなされた。また、修繕引当金の残高は、800円である。
【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 修繕引当金繰入 | 800 | 修繕引当金 | 800 |
2 | 修繕引当金 | 800 | 未払金 | 1,200 |
3 | 修繕引当金 | 800 | 未払金 | 1,200 |
賞与引当金問題
次の取引について仕訳しなさい。
- 決算(3月末日)において、翌期の6月25日に支払予定の賞与のうち当期の負担分800円について、賞与引当金を設定した。
- 6月25日に、従業員に対する賞与1,200円を現金で支払った。なお、賞与引当金の残高は、800円である。
- 企業(年1回3月末日決算)の賞与の支給日が6月5日と12月5日の年2回であった。6月5日に支給する賞与の見込額は、1,200円であった。6月5日の賞与の計算期間(対象期間)は、12月1日から5月31日の勤務に対して支給する。決算において、賞与引当金を設定する。
【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 賞与引当金繰入 | 800 | 賞与引当金 | 800 |
2 | 賞与引当金 | 800 | 現金 | 1,200 |
3 | 賞与引当金繰入 | 800 | 賞与引当金 | 800 |
※問3:1,200円×4ヵ月÷6ヵ月=800円
退職給付引当金問題
次の取引について仕訳しなさい。
- 決算において、退職給付引当金の当期繰入額800円を計上する。
- 退職した従業員に対し、退職金700円を現金で支払った。なお、退職給付引当金の残高は800円である。
- 厚生年金基金に、退職年金の掛金100円を現金で支払った。
【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 退職給付費用 | 800 | 退職給付引当金 | 800 |
2 | 退職給付引当金 | 700 | 現金 | 700 |
3 | 退職給付引当金 | 700 | 現金 | 700 |
売上割戻引当金問題
次の取引について仕訳しなさい。
- 決算において、当期の売上高20,000円に対して2%の売上割戻引当金を計上する。
- 売上割戻(前期売上高にかかるもの800円、当期売上高にかかるもの600円)を実施し、売掛金と相殺した。なお、売上割戻引当金の残高は800円(前期売上にかかるもの)である。
【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 売上割戻引当金繰入 | 400 | 売上割戻引当金 | 400 |
2 | 売上割戻引当金 | 800 | 売掛金 | 1,400 |
返品調整引当金問題
次の取引について仕訳しなさい。
- 決算において、売掛金の残高20,000円に対して、返品率30%、売上総利益率20%として返品調整引当金を設定する。
- 前期に掛けで販売した商品20,000円の返品を受け、売掛金と相殺した。前期売上総利益率は20%で、返品調整引当金の残高は、5,000円である。
- 前期に掛けで販売した商品20,000円と当期に掛けで販売した商品10,000円の返品を受け、売掛金と相殺した。前期売上総利益率は20%で、返品調整引当金の残高は、5,000円である。
【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 返品調整引当金繰入 | 1,200 | 返品調整引当金 | 1,200 |
2 | 仕入 | 16,000 | 売掛金 | 20,000 |
3 | 仕入 | 16,000 | 売掛金 | 30,000 |
※問1:20,000円×30%×20%=1,200円
※問2:20,000円×(1-20%)=16,000円、20,000円×20%=4,000円
役員賞与引当金問題
次の取引について仕訳しなさい。
- 決算において、当期に負担すべき役員賞与800円を見積もり計上した。当社は、株主総会において役員賞与の支給に関する議案の承認を受けることにしている。
- 役員に対する賞与800円を当座預金口座から支払った。なお、役員賞与引当金の残高は、800円である。
【解答】
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 役員賞与引当金繰入 | 800 | 役員賞与引当金 | 800 |
2 | 役員賞与引当金 | 800 | 当座預金 | 800 |
引当金問題【テスト版】
次の資料にもとづいて、販売費及び一般管理費に計上する貸倒引当金繰入の金額と営業外費用に計上する貸倒引当金繰入の金額を求めなさい。
<資料> 試算表の貸倒引当金のうち、売上債権に対するものが700円、貸付金に対するものが100円である。 売掛金のうち、10,000円は、A社(財政状態悪化)に対するものであり、担保処分見込額3,000円を差し引いた金額に対し50%を設定する。 A社に対する売掛金以外の売上債権及び貸付金の期末残高の2%について貸倒引当金を設定する。(実積率法) |
販売費及び一般管理費に計上する貸倒引当金繰入 | ( )円 |
営業外費用に計上する貸倒引当金繰入 | ( )円 |