簿記の用語の意味を解説しています。このページの用語は、「さ行」です。
効率的な学習のために、用語の意味を理解していきましょう。
目次
再振替仕訳
当期の決算において、以下のように、費用の繰延べ、収益の繰延べの処理を行ったとします。
前払費用××/費用××→費用の繰延べ
収益××/前受収益××→収益の繰延べ
適正な期間損益計算達成のために、翌期首に、以下のように、上記の仕訳の逆仕訳を行います。これが、再振替仕訳といいます。
費用××/前払費用××→再振替仕訳
前受収益××/収益××→再振替仕訳
※費用・収益の見越しの場合も同じです。翌期首に逆仕訳を行います。
差額補充法
例えば、決算において、売掛金の期末残高6,000円について5%の貸倒引当金を設定するとします。なお、貸倒引当金の期末残高は200円あったとします。
6,000円×5%=300円が、当期に計上しなければならない貸倒引当金の金額となります。
貸倒引当金の期末残高が200円あるので、あと、100円(300円-200円)だけ、貸倒引当金を設定すればよいのです。
このように、当期に計上しなければならない貸倒引当金の金額と貸倒引当金の期末残高の差額を計算し、足りない差額分を貸倒引当金として計上します。
これを差額補充法といいます。
なお、仕訳は、以下のとおりです。
貸倒引当金繰入100/貸倒引当金100
※差額分だけ計上(差額補充法)します。
先入先出法
先入先出法とは、先に仕入れた商品から先に売り上げたと仮定して、払出単価を計算する方法のことです。
例えば、以下のような取引があったとします。
7月10日に、B商品10個(@80)を仕入れました。
7月20日に、B商品20個(@100)を仕入れました。
7月23日に、B商品12個を売り上げた。
先に仕入れた商品から先に売り上げたと仮定するので、7月23日に売り上げたB商品12個のうち、10個は、7月10日に仕入れた単価80円のB商品が売り上げたとして計算します。
残りの2個は、7月20日に仕入れた単価100円のB商品が売り上げたとして計算します。
先物為替レート
先物為替レートは、先物為替取引の場合に適用されることになる外国為替のレートのことです。
取引成約日から3営業日以降の特定日に資金の受け渡しが行われる取引に適用されます。
残存価額
残存価額とは、耐用年数が経過した後に、処分したときの予想売却価額のことです。
三伝票制
企業の全ての取引を、「入金取引(現金が増える取引)」、「出金取引(現金が減る取引)」、「振替取引(入金取引、出金取引以外の取引」に分けます。
入金取引(現金が増える取引)については、入金伝票に記入します。
出金取引(現金が減る取引)については、出金伝票に記入します。
それ以外の取引については、振替伝票に記入します。
全ての取引を3種類の伝票に記入します。
これを三伝票制といいます。
三分法
商品売買の仕訳をする際、「仕入(費用)」、「売上(収益)」、「繰越商品(資産)」の3つの勘定科目を使う方法のことを三分法といいます。
仕入諸掛り
商品の仕入れや販売の際に、手数料、運賃、関税など様々な費用がかかります。
この費用のことを諸掛りといいます。
商品の仕入れの際にかかった費用を仕入諸掛りといいます。
仕入値引
「商品に品質不良があったとき」、「商品に傷があったとき」などを理由に商品の値段をまけたり、まけてもらったりします。
これが、値引きです。
A商店は、B商店から商品を仕入れたが、その商品に傷があったので、B商店から値引きを受けたとします。
Aから見れば、値引きを受けることとなります。これを、仕入値引といいます。
仕入戻し
「商品に傷があったとき」、「違う商品であったとき」などを理由に商品を相手方(仕入先や得意先)に返したり、返されたりします。
これが、返品です。
A商店は、B商店から商品を仕入れたが、その商品に傷があったので、B商店にその商品を返品したとします。
Aから見れば、返品することになります。これを仕入戻しといいます。
仕入割引
掛け代金を支払期日前の一定期間内に支払った場合、掛け代金の一部が免除されることがあります。
これを仕入割引といいます。
仕入割戻
一定期間内に、一定金額もしくは一定数量を超える商品を仕入れた場合、代金の一部を免除されることがあります。
これを仕入割戻といいます。
直物為替レート
直物為替レートは、直物為替取引の場合に適用されることになる外国為替のレートのことです。
取引成約日から2営業日を超えない間に資金の受け渡しが行われる取引に適用されます。
資本剰余金
株主が出資した金額のうち、資本金として計上しなかった金額のことです。
資本剰余金は、法律により積み立てが強制されている資本準備金とそれ以外の部分(その他資本剰余金)から構成されています。
資本金に資本剰余金を加えたものを払込資本といいます。
資本的支出
固定資産の修理等のために支出した金額のうち、固定資産の価値を高め、または、固定資産の耐用年数を延長させる効果があると認められた金額(改良費など)を固定資産の取得原価に含めます。
これを資本的支出といいます。
資本振替
損益振替が終われば、当期純利益または当期純損失が確定します。
確定した後は、当期純利益または当期純損失を繰越利益剰余金に振り替えます。
収益的支出
固定資産の修理等のために支出した金額のうち、固定資産の通常の維持管理のため、または、壊れた固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額を修繕費(費用)で処理します。
これを収益的支出といいます。
修繕引当金
企業は、毎年定期的に、機械や建物などの固定資産について修繕を行います。
様々な理由により、毎年行われる定期的な修繕が当期に行われず、翌期に修繕を行うときがあります。
翌期に修繕を行う可能性が高いときは、決算において、それに備える処理をします。
具体的には、翌期に行われる修繕費用を見積もり、修繕引当金繰入(費用)を借方に記入し、修繕引当金(負債)を貸方に記入します。
出金伝票
出金取引(現金が減る取引)については、出金伝票に記入します。
主要簿
主要簿には、仕訳帳と総勘定元帳があります。
企業の取引全てを主要簿に記録していきます。
企業は、取引が発生したら仕訳帳で仕訳をして、総勘定元帳に転記します。
純資産
資産総額から負債総額を控除した金額のことを純資産といいます。
純資産は、株主資本とそれ以外の部分(評価・換算差額等)から構成されています。
償却原価法
額面金額と取得価額が異なり、かつ、額面金額と取得価額との差額の性格が金利の調整と認められる場合、取得日から満期日までの間、決算日ごとに毎期一定の方法で計算した金額を満期保有目的債券の帳簿価額に加減します。相手勘定科目は有価証券利息となります。
この方法を償却原価法といいます。
償却債権取立益
過年度に、貸倒損失として計上した債権を回収したときは、回収した金額を償却債権取立益(収益)で処理します。
商品保証引当金
「販売した商品に欠陥などがあれば、一定期間、無料で保証(修理または交換など)する。」という無料保証契約を締結したうえで、商品を販売することがあります。
当期に当該商品を販売し、翌期以降に修理などを行う可能性があります。
翌期に修理などをする可能性が高いときは、決算において、それに備える処理をします。
具体的には、決算において、保証する金額を見積もり、商品保証引当金繰入(費用)を借方に記入し、商品保証引当金(負債)を貸方に記入します。
賞与引当金
企業は、従業員に対して労働の対価として賞与(ボーナス)を支給します。
例えば、企業(年1回3月末日決算)の賞与の支給日が、6月15日と12月15日の年2回だとします。
6月15日の賞与は、12月1日から5月31日までの労働に対して支給します。
12月15日の賞与は、6月1日から11月30日までの労働に対して支給します。
6月15日に支給する賞与は、当期(12月1日から3月31日)の労働と翌期(4月1日から5月31日)の労働に対して支給します。
なので、6月末日に支給する賞与(費用)を、翌期に全額費用計上するのではなく、当期の労働分は当期の費用とし、翌期の労働分は翌期の費用として計上します。
そこで、決算において、翌期に支給する賞与のうち、当期の負担に属する金額を見積もり、賞与引当金繰入(費用)を借方に記入し、賞与引当金(負債)を貸方に記入します。
仕訳日計表
取引が発生すれば、取引を伝票に記入します。
そして、伝票から総勘定元帳に転記します。
なので、取引量が多ければ、集計ミスや転記ミスなどが生じる可能性が高くなります。
ミスを防ぐために、仕訳日計表を作成します。
仕訳日計表とは、1日に起票された伝票を勘定科目ごとに集計する表のことです。
生産高比例法
資産の利用度に比例して減価償却費を計上する方法のことを生産高比例法といいます。
適用される資産は、鉱業用設備・航空機・自動車など総利用可能量を見積もることができ、減価が利用に比例して発生する固定資産に限定されています。
以下の計算式で、減価償却費を求めます。
(取得原価ー残存価額)×当期利用量÷総利用可能量
総勘定元帳
総勘定元帳とは、企業の全ての取引を勘定科目ごとに記録する帳簿のことです。
仕訳帳に仕訳をし、その仕訳を総勘定元帳に転記します。
送金小切手
銀行で送金小切手(銀行が振り出す小切手)を購入します。そして、その小切手を相手方に送ります。そして、相手方が、その小切手を銀行に持っていくと、その小切手と引き換えに現金を受け取ることができます。
上記のように、送金小切手は、すぐに換金できるので、現金として処理します。
総平均法
(前月繰越高+当月受入高)÷(前月繰越数量+当月受入数量)=平均単価
一定期間(1カ月など)における平均単価を上記の算式で求め、その平均単価を払出単価とする方法のことを総平均法といいます。
損益計算書
企業(店や会社)の一会計期間における経営成績を明らかにした報告書のことを損益計算書(P/L)といいます。
損益振替
当期純利益または当期純損失を計算するために、総勘定元帳に損益勘定を設けます。
収益・費用の各勘定残高を損益勘定に振り替えます。
損金
損金は、会計上の費用みたいなものですが、「損金=費用」ではありません。
損金=費用+損金算入額-損金不算入額
※会計上、費用であるが、税法上、損金として認められないものがあります。これを損金不算入といいます。
※会計上、費用ではないが、税法上、損金として認められるものがあります。例えば、貸倒損失認定損などがあります。これを損金算入といいます。