試験範囲である全論点を押さえた後は、徹底的に総合問題（貸借対照表と損益計算書作成編）を解きましょう。
日商簿記2級に合格するためには、数多くの問題を解くことが重要です。
貸借対照表と損益計算書作成問題（NO1）
問題
解答用紙（PDF版）はこちらからどうぞ
次の決算整理前残高試算表、決算整理事項にもとづき貸借対照表と損益計算書を作成しなさい。会計期間は、×3年4月1日から×4年3月31日である。
【決算整理事項等】
- 水道光熱費を支払うために小切手を振り出したが、未渡しであった。
- 売掛金の回収として当座預金口座に1,000円が振り込まれていたが、銀行からの通知が届いていない。
- 受取手形及び売掛金の期末残高に対して2％の貸倒引当金を差額補充法により設定する
- 商品の期末棚卸は、次のとおりである。
帳簿棚卸数量200個 原価＠100円
実地棚卸数量160個 正味売却価額＠80円
棚卸減耗損は、営業外費用に計上、商品評価損は、売上原価に算入する。なお、売上原価は、仕入の行で計算する。 - 建物：定額法 耐用年数30年 残存価額 0円。
- のれんは、×2年4月1日の合併時に生じたものである。（定額法：20年で償却）
- 保険料12,000円は、×4年3月1日に向こう1年分を支払った際に計上したものである。
- 売買目的有価証券について、時価法により評価替えをする。なお、当該有価証券の期末時価は12,000円である。
- 税引前当期純利益の30％相当額を法人税、住民税及び事業税として計上する。
解答・解説
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
| １ | 当座預金 | 10,000 | 未払金 | 10,000 |
| ２ | 当座預金 | 1,000 | 売掛金 | 1,000 |
| ３ | 貸倒引当金繰入 | 780 | 貸倒引当金 | 780 |
| ４ | 仕入 | 6,000 | 繰越商品 商品評価損 | 6,000 3,200 |
| ５ | 減価償却費 | 6,000 | 減価償却累計額 | 6,000 |
| ６ | のれん償却 | 2,500 | のれん | 2,500 |
| ７ | 前払保険料 | 11,000 | 支払保険料 | 11,000 |
| ８ | 売買目的有価証券 | 2,000 | 有価証券評価益 | 2,000 |
9 | 法人税等 | 20,556 | 未払法人税等 | 20,556 |
- 問3：貸倒引当金
(30,000円＋60,000円－1,000円)×2%－1,000円 - 問4：棚卸減耗損と商品評価損
(200個－160個)×100円＝棚卸減耗損
(100円－80円)×160個＝商品評価損 - 問5：減価償却
180,000円÷30年 - 問6：減価償却
47,500円÷19年 - 問7：費用の繰延べ
12,000円×11ヵ月÷12ヵ月 - 問9：法人税等
68,520円×30%
貸借対照表と損益計算書作成問題（NO2）
問題
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次の決算整理前残高試算表、決算整理事項にもとづき貸借対照表と損益計算書を作成しなさい。会計期間は、×3年4月1日から×4年3月31日である。
【決算整理事項】
- 商品の期末棚卸は、次のとおりである。
帳簿棚卸数量120個 原価＠80円、実地棚卸数量100個 正味売却価額＠100円(実地棚卸数量100個のうち、20個については、品質が低下してしまい、正味売却価額は＠60円である。) 棚卸減耗損は、営業外費用に計上し、商品評価損は、売上原価に算入する。売上原価は、仕入の行で計算する。 - 売買目的有価証券の内訳は以下のとおりである。時価法により、評価替えをする。
Ａ社株式（帳簿価額＠160円、時価＠150円、株式数50株）
Ｂ社株式（帳簿価額＠100円、時価＠105円、株式数20株） - 車両運搬具（生産高比例法：残存価額は取得原価の10％、総走行可能距離20,00km、当期走行距離4,000km、間接法）は、当期首に取得。
- 満期保有目的債券は、×3年10月1日に満期日（×8年9月30日）まで保有する目的で社債（額面金額50,000円）を額面100円につき96円で購入したものであり、額面金額と取得価額との差額の性格が金利の調整と認められている。なお、償却原価法を適用する。
- 子会社株式の時価は、18,000円である。
- 仕入先に対する買掛金の支払いのために小切手6,000円を振り出したが、銀行に未呈示であった。
- 売掛金60,000円のうち、30,000円は、財政状態が悪化したＡ社に対するものであるため、担保処分見込額5,000円を差し引いた金額に対し50％を設定する。なお、受取手形、売掛金（Ａ社に対するものを除く）、電子記録債権の期末残高に対して2％の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
- 税引前当期純利益の40％を法人税、住民税及び事業税に計上する。
解答
決算整理前仕訳等は、以下のとおりです。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
| １ | 仕入 | 80,000 | 繰越商品 商品評価損 | 80,000 400 |
| ２ | 有価証券評価損益 | 500 | 売買目的有価証券 | 500 |
| ３ | 減価償却費 | 14,400 | 減価償却累計額 | 14,400 |
| ４ | 満期保有目的債券 | 200 | 有価証券利息 | 200 |
| ５ | 時価評価しないので、仕訳不要。 | |||
| ６ | 未取付小切手なので、仕訳不要。 | |||
| ７ | 貸倒引当金繰入 | 11,100 | 貸倒引当金 | 11,100 |
８ | 法人税等 | 14,960 | 未払法人税等 | 14,960 |
- 問1：棚卸減耗損と商品評価損
(120個－100個)×80円＝棚卸減耗損
(80円－60円)×20個＝商品評価損 - 問3：減価償却
80,000円×0.9×4,000km÷20,000km - 問4：満期保有目的債券
(50,000円－48,000円)×6ヵ月÷60ヵ月 - 問7：貸倒引当金
(1)．(30,000円－5,000円)×50%
(2)．(30,000円＋60,000円－30,000円＋20,000円)×2%
(1)＋(2)－3,000円