日商簿記3級の試験範囲である三分法と分記法について、ポイントを解説していきます。
用語の解説
当店は、〇商品を販売する店を開きました。
当店は、〇商品を作ることが出来なかったので、A商店から〇商品を購入することとしました。
そして、A商店から購入してきた〇商品をB商店に販売しました。
A商店から〇商品を購入することを仕入れといいます。
〇商品をB商店に販売することを売上げといいます。
A商店のことを仕入先、B商店のことを得意先といいます。
三分法
「仕入(費用に該当)」「売上(収益に該当)」「繰越商品(資産に該当)」の3つの勘定科目を使って、商品売買の処理をしていきます。これを三分法といいます
当店は、A商店から〇商品1個を現金100円で仕入れ、後日、その〇商品をB商店に売り上げ代金180円を現金で受け取った。この2つの取引(仕入れの取引と売上げの取引)を三分法により仕訳をしますと以下のとおりになります。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
仕入 | 100 | 現金 | 100 |
現金 | 180 | 売上 | 180 |
三分法の場合、商品の購入を仕入で処理し、商品の販売を売上で処理します。
商品を現金で購入しているので資産である現金100円が減りますので貸方に記入し、代金を現金で受け取っているので資産である現金180円が増えますので借方に記入します。
上記の仕訳をすることにより、「売上(収益)180円-仕入(費用)100円=利益80円」となり、現金80円(180円-100円)が手許に残ります。
繰越商品については、決算整理のページで解説しますので、このページでは省略します。
分記法
「商品(資産に該当)」「商品売買益(収益に該当)」の2つの勘定科目を使って、商品売買の処理をしていきます。これを分記法といいます
当店は、A商店から〇商品1個を現金100円で仕入れ、後日、その〇商品をB商店に売り上げ代金180円を現金で受け取った。この2つの取引(仕入れの取引と売上げの取引)を分記法により仕訳をしますと以下のとおりになります。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
商品 | 100 | 現金 | 100 |
現金 | 180 | 商品 商品売買益 | 100 80 |
分記法の場合、商品の購入を商品で処理し、商品の購入価格(原価といいます。=100円)と商品の販売価格(売価といいます。=180円)との差額(売価-原価)を商品売買益で処理します。
商品を現金で購入しているので資産である現金100円が減りますので貸方に記入し、代金を現金で受け取っているので資産である現金180円が増えますので借方に記入します。
上記の仕訳をすることにより、「商品売買益(売価-原価)=利益80円」となり、現金80円(180円-100円)が手許に残ります
三分法の場合は、売上と仕入の差額が利益となりましたが、分記法の場合は、商品売買益が利益となります。