連結会計の要点をまとめています。日商簿記2級合格のために、このページに掲載している連結会計の要点整理を覚えてから問題を解いてください。
目次
連結会計要点整理
投資と資本の消去仕訳
- 全部取得の場合
親会社が所有する株式と子会社の資本は相殺して消去します。
資本金等××/〇株式×× - 部分取得の場合
子会社の資本のうち親会社の持分部分を相殺します。
子会社の資本のうち親会社の持分以外の部分を「非支配株主持分(純資産)」として計上します。
資本金等××/〇社株式××
非支配株主持分×× - 投資消去差額が生じた場合
親会社の子会社に対する投資額と子会社の純資産(資本)を相殺消去した結果、借方に生じた差額を「のれん(無形固定資産)」として計上します。
資本金等××/〇社株式××
のれん×× 非支配株主持分××
子会社の当期純利益の振替
- 当期純利益の場合
非支配株主に帰属する当期純損益××/非支配株主持分当期変動額×× - 当期純損失の場合
非支配株主持分当期変動額××/非支配株主に帰属する当期純損益×× - 非支配株主に帰属する当期純利益は、当期純利益から減算し、非支配株主に帰属する当期純損失は、当期純利益に加算します。
子会社の配当金の振替
- 100%支配の場合
受取配当金××/剰余金の配当×× - 100%支配でない場合
受取配当金××/剰余金の配当××
非支配株主持分当期変動額××
開始仕訳
- 翌期末に再度、当期の連結修正仕訳と同じ仕訳をします。
- 純資産である資本金、利益剰余金、非支配株主持分については、当期首残高や期首残高という言葉がはいります。例えば、資本金当期首残高、利益剰余金当期首残高、非支配株主持分当期首残高などです。
- 損益に影響を与えるものは、利益剰余金当期首残高で処理します。例えば、「のれん償却・当期純損益・受取配当金・剰余金の配当など→利益剰余金当期首残高」
内部取引・債権債務の相殺消去
- 「売上高と売上原価」、「売掛金と買掛金」、「受取手形と支払手形」、「貸付金と借入金」、「受取利息と支払利息」、「未収収益と未払費用」、「受取配当金と配当金」などを相殺して消去します。
- 「売掛金と買掛金」、「受取手形と支払手形」を相殺消去した結果、貸倒引当金も相殺消去する必要があります。
貸倒引当金××/貸倒引当金繰入×× - 手形を割り引いた場合(割引料が0円の場合)
支払手形××/受取手形××
借入金××←割引分 - 手形を割り引いた場合(割引料が0円でない場合)
上記の連結修正仕訳に加え以下の連結修正仕訳も追加
支払利息××/手形売却損××
未実現利益の消去(ダウンストリーム)
- 棚卸資産の未実現利益
期末商品
→売上原価××/商品××
期首商品
→商品××/売上原価××←前期末の連結修正仕訳の逆仕訳
→利益剰余金当期首残高××/商品××←開始仕訳 - 土地の未実現利益
固定資産売却益××/土地××
翌期(外部に売却できたとき)
土地××/固定資産売却益××←前期末の連結修正仕訳の逆仕訳
利益剰余金当期首残高××/土地××←開始仕訳
未実現利益の消去(アップストリーム)
- 棚卸資産の未実現利益
期末商品
→売上原価××/商品××
→非支配株主持分当期変動額××/非支配株主に帰属する当期純損益××
期首商品
→商品200/売上原価200
非支配株主に帰属する当期純損益60/非支配株主持分当期変動額60
→利益剰余金当期首残高200/商品200
非支配株主持分当期首残高60/利益剰余金当期首残高60 - 土地の未実現利益
→固定資産売却益××/土地××
非支配株主持分当期変動額××/非支配株主に帰属する当期純損益××
要点確認問題
上記の要点を覚えているかどうかを試してください。
次の( )の中に入るのは何ですか?なお、覚えているかどうかは、上記の要点整理でご確認ください。
投資と資本の消去仕訳
- 部分取得の場合
子会社の資本のうち親会社の持分部分を相殺します。
子会社の資本のうち親会社の持分以外の部分を「非支配株主持分(純資産)」として計上します。
資本金等××/〇社株式××
( ) ×× - 投資消去差額が生じた場合
親会社の子会社に対する投資額と子会社の純資産(資本)を相殺消去した結果、借方に生じた差額を「( )」として計上します。
資本金等××/〇社株式××
( ) ×× 非支配株主持分××
子会社の当期純利益の振替
- 当期純利益の場合
非支配株主に帰属する当期純損益××/( )×× - 当期純損失の場合
( )××/非支配株主に帰属する当期純損益×× - 非支配株主に帰属する当期純利益は、親当期純利益から( )し、非支配株主に帰属する当期純損失は、当期純利益に( )します。
開始仕訳
- 翌期末に再度、( )仕訳をします。
- 損益に影響を与えるものは、( )で処理します。